小さな編集部

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小沢健二 さんの「春の空気に虹をかけ」のチケットを買った

2年ぶりに小沢健二さんのライブへ行くことに

小沢健二さんが4月下旬から5月上旬にかけて行うライブ「春の空気に虹をかけ」のチケットを手に入れた。ローソンWebでのチケット購入はアクセスが集中して大変だったけれど、運良くキャンセル待ちで「砂かぶり席」を取ることができた。

小沢健二さんのライブに行くのは、2016年に行われた「魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ」以来、2年ぶりのことになる。

「Disc To Go」の思い出

実は、ぼくはライブにはほとんど行ったことがない。行ったことがあるのは、小沢さんや小山田圭吾さんのライブくらいだ。

初めて行った小沢さんのライブは、1994年に行われた全国ツアー「Disco To Go」なので、もう24年も前のことになる。

時期的には、小沢さんのファーストアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」が出たあと、そしてセカンドアルバム「LIFE」が出る前ということになる。

当時のぼくは大学生で、当然結婚をしておらず、彼女もいなくて、ただ中古の車を持っていた。それに乗ってライブ会場である新潟市の新潟フェイズにひとりで行った。

そしてたった今ググって知ったのだけど、新潟フェイズは10年以上前に営業を終了している。時が経つというのはこういうことなんですね。

このときのライブは、何しろ24年前のことなので、ほとんど覚えていない。

覚えているのは、ライブ会場の周りに行列ができていて並んだこと、並んでいる最中に中から演奏の練習が聞こえて皆がどよめいたこと。会場はオールスタンディングだったので結構前のほうに行けたこと。小沢さんが細身だったのが印象的だったこと。当時未発表だった「ラブリー」が披露されたこと。

ライブの様子を忘れているように、観た感想もよく覚えていない。ライブのあと、どんなことを思いながら車を運転し、家に帰ったのか……。

「THE LIFE SHOW」の「天使たちのシーン

記憶に残っているライブのシーンといえば、新潟テルサで演奏された「天使たちのシーン」が挙げられる。たぶん、1994年に行われた全国ツアー「THE LIFE SHOW」だったのではないかと思うけど、確証はない。

小沢さんが「天使たちのシーン」を歌い始めると、観客の皆さんもつられて歌うのだけど、それが素晴らしくよく響いて鳥肌が立った。自分の席の前からだけでなく、後ろから覆い被さるように歌声が聞こえてきて、その体験が当時のぼくにはとても心に響いた。

ライブで泣きたくなったのは、後にも先にもあのときだけだ。

小沢さんはライブのたびに、新しい形の演奏をしている。「天使たちのシーン」もいろいろな形で演奏された。

例えば1996年に開催された「lover」では、小沢さんから歌わずに座って聴いてほしいという要望があり、「天使たちのシーン」をクラシックのコンサートのように聴いたことがある。

なじみの曲が新しい形で演奏されるのを聴くのは、小沢さんのライブに行く楽しみのひとつだ。

今の自分と音楽

ここまでつらつらと書いてきたが、かつての自分にとって、音楽は本当に重要なものだったことを思い出した。

朝起きて音楽、大学に行って音楽、バイトの帰りに音楽、寝る前に音楽。音楽を聴き、考える。そしてまた音楽を聴くという感じだった。

ところが、今の自分にとっては、音楽の重要性は明らかに低下している。音楽を全く聴いていないときが数年続いたこともあった。

実を言うと、小沢さんのライブに熱心に行きたがるのは、今ではぼくよりも奥さんのほうだ。奥さんとは音楽や本の趣味が合うことがきっかけで付き合い始めた。だから、小沢さんのライブに二人で行ったことが何度もある。

奥さんが音楽に向ける情熱は今も昔もさほど変わらないけど、ぼくのほうはすっかり変わってしまった。仕事に追われる生活を20年以上繰り返しているうちに、音楽を聴いて考えるというパターンが、日常からすっかり脱落してしまった。

昔の自分が今のぼくを見たらどう思うかなあ。

アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」

先日、Apple Musicで小沢さんの新曲「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」が聴けるようになった。岡崎京子さん原作の映画「リバーズ・エッジ」の主題歌だ。

リバーズ・エッジ」はとても好きな作品だったので、あまり音楽を聴かなくなったぼくも、「アルペジオ」を聴くのは楽しみにしていた。

「これは小沢さんから岡崎さんへのラブレターだね」と奥さんは言っていたけど、そのような意図があるかどうかは別として、ぼくにとっては久々に繰り返し聴く曲になった。

今度のライブ「春の空気に虹をかけ」では、「アルペジオ」の演奏も聴けると思うので、今から楽しみにしています。