小さな編集部

思ったこと、買ったもののことなど

年をとっても小沢健二さんの曲を聴くということ

f:id:era1:20180302192030p:plain

実はブログを開設したのは10年ぶりくらいのことで、10年前とはいろいろなものが変わっていて驚いています。

昔は@ニフティココログで書いていて、なんとなく書いていればいつの間にか読者(というかブログ友達)が増えていったような気がします。しかし、はてなブログは書いただけでは全くアクセスがないんですね。

大量のアクセスなんて期待してなかったけど、ひとりも見てくれないのはさすがに悲しい……。

というわけで調べてみると、はてなブログTwitterはてなブックマークなどの外部サービスと連携しないといけないみたいですね。そこで、Twitterのアカウントを作ったり、はてなブックマークで自分の記事をブックマークしたりするようにしました。

世代と音楽

Twitterのアカウントを作ったのも10年ぶりくらいのことですが、いいねボタンなどが整備されたおかげで、無理にフォロワーを増やさなくてもつぶやきを楽しめるようになっていていいなと思いました。

何気なくつぶやいたことが、たまに誰かに「いいね」されたり、リツイートされればそれで十分だなと思います。

小沢健二さんに関することを何度かつぶやいたのですが、それに「いいね」をしてくれる方に、若い方が多くて意外に感じました。

小沢健二さんは49歳。ぼくは48歳。小沢さんの曲を聴くのは、ぼくと同じように小沢さんと同世代の人たちが中心だろうと思っていたからです。

小沢さんの曲が世代を超えて評価されているからだと思いますので、すばらしいことです。

CorneliusのTシャツ

そういえば最近、「アルペジオ」がリリースされた影響か、テレビに小沢さんが登場するのを目にします。

小沢さんを紹介するために、昔のミュージックビデオが流れることがあるのですが、20年前の小沢さんの服装が、今見てもそんなに違和感がないのはすごいと思いました。ファッションにも普遍性があるとか出来すぎでは……。

25年くらい前、いわゆる渋谷系の音楽が一部の人の間で流行っていて、小沢さんや小山田圭吾さんは、渋谷系の旗手と見られていたと思います。

彼らのファッションも一部の人の間で流行っていて、ぼくは小山田圭吾さんの格好を端から真似ていました。憧れはCorneliusのTシャツ。

ただ、地方の大学に通っていたので、小山田さんが着ている服がなかなか見つからず、思い通りにいかなかったのを記憶しています。

アルペジオ」のジャケットの切り込みは「次元の隙間」

映画「リバーズ・エッジ」の主題歌として「アルペジオ」がリリースされて、久々に小沢さんの曲を繰り返し聴きました。

途中で、

「小沢くん、インタビューとかでは

何も本当のこと言ってないじゃない」

という言葉が出てきて、これは一体どういうことだとずいぶん悩みました。

リバーズ・エッジ」の主題歌なのに「小沢くん」が出てくるのはどういうことなのか。なぜ「山田くん」じゃないのか? 何か深遠な意味があるのではないか……。

そんなことを考えながら「アルペジオ」を聴いていたとき、奥さんが「『アルペジオ』は小沢健二から岡崎京子へのラブレターだよね」と言って、目からうろこが落ちる思いがしました。

岡崎京子さんへのメッセージだと思いながら「アルペジオ」を聴けば、なるほど意味が分かるような気がします。何で気づかなかったのか。ぼくは小沢さんの曲を、いつもよく理解できないまま聴いているんだと改めて思いました。

www.youtube.com

先日、小沢健二さんがラジオFM802に出演して、「アルペジオ」のジャケットが謎めいた形になっている経緯を話していました。

アルペジオ」のジャケットは、波打つような形をしていて、さらに斜めに切り込みまで入っていて、とても不思議な形をしています。

小沢さんは海外での生活が長かったわけですが、久しぶりに日本で暮らしてみると、日本という社会がきっちりしすぎていることに違和感を抱いたそうです。

行きすぎたきっちりさは壊すべきだという思いを、「アルペジオ」のジャケットの形に込めているそうです(1回聴いただけなので、小沢さんの正確な言葉ではないかもしれません)。

ちなみに、ぼくはジャケットに入っていた斜めの切り込みには、何か実用的な意味があると思っていました。透明フィルムの歌詞カードを挟む場所なんじゃないかとか。

しかし実際には、全く違っていました。

ジャケットの裏面は都市の夜景になっているのですが、切り込みは都市の閉塞感を破る「次元の隙間」を表しているそうです。

次元の隙間なんて、ぼくの想像の範囲を遙かに超えていますよ……。

アルペジオ」に関して、ぼくはジャケットの造形から曲の中身まで、意図を全く理解できていないという状況でした。

小沢さんの曲は「天気読み」以来、ずっと聴き続けていますが、どの曲の真意も理解できていないのだろうなと思います。

ただ、いい曲だということだけが分かる。そんな感じです。

年をとっても音楽を聴く

年を取ると身体的にはあまりいいことはないのですが、だんだん面の皮が厚くなってきて、世の中少し生きやすくなるのはありがたいことだと思っています。

ただ、面の皮が厚くなると、音楽が心に刺さりにくくなるような気がします。さらに、結婚をして子供が生まれると、生活と仕事に追われ、立ち止まって悩む余裕すらなくなってきます。そうなると、音楽からはどんどん遠ざかっていってしまいます。

実際、ここ10年くらい、ぼくは音楽をほとんど聴いていませんでした。

小沢さんが新曲を発表する、ライブをやる、そんなタイミングで、音楽を聴く生活に戻るという感じです。

そしてまた聴かなくなる。

でも、小沢さんが何か活動をすれば、今後も音楽を聴く生活に戻ると思います。

 

今度のライブ、「春の空気に虹をかけ」に行くのが楽しみです。